ニンジンは、『直根性の根菜類であるため植え替えができない。だから畑に種を直接まいて大きくなるまでそのまま育て、収穫する』というのが常識ですが、本当に植え替えができないのか?きちんと植え替えたら育てることができるのではないか?といった疑問をもった方が私以外にもおられるのではないでしょうか。
そこで今回は、畑に種を直まきして育てた苗を、あえて移植して育ててみることにしました。
移植栽培の計画
移植栽培の計画としては、以下のとおりです。
- 畑に種を直まきして育てる。
- 苗を植え付ける場所の土づくりをあらかじめしておく。
- 適当な大きさまで育ったら苗を間引く。
- 間引いた苗を大きめにあけた穴に植え付ける。
- 成長の様子と収穫の様子を確認する。
移植栽培の実施
種を直まきして苗を育てる
あらかじめ土づくりをしていた畝に、3条まき溝をつけ種まきをし、軽く土を被せます。その後寒冷紗をべた掛けし水を与え、発芽を待ちます。(9月中旬)
間引きと植え付け
種まきから1.5ヶ月くらいすると葉が15cm程度になるので、間引きをします。根元の直径は5mm、長さは5cmほどです。
あらかじめ土づくりをしていた畝に、間引いた苗を植え付けます。
苗の先端(成長点がある)をつぶさないように、支柱で大きめの穴をあけて植え付けます。全部で60本植えました。(10月下旬)
成長の様子
植え付けてから3か月後の様子です。(1月下旬)
直まき栽培のニンジンは十分育っており、収穫できる大きさです。それに比べて移植栽培のニンジンは、なかなか葉が大きくならないです。
植え付けてから4か月後の様子です。(3月上旬)
直まき栽培のニンジンは、かなり収穫を終え数が少なくなっています。一方、移植栽培のニンジンは若干葉が大きくなったようですが、これ以上待っても大きく育つ感じがしないので終了とします。
収穫の様子
直まき栽培のニンジンを10本と、移植栽培のニンジンをすべて収穫し比較しました。
直まき栽培のニンジンは、長さが15~20cmで良く育っているのがわかります。
一方、移植栽培のニンジンは、収穫できたものは全部で23本で、10cm程度のものが1本と5cm程度のものが22本で、明らかに生育不良です。
はじめに60本植えているので、残り37本は消失しました。これは、枯れたものと除草の際に一緒にひいてしまったものの合計であると思います。
まとめ
今回あえてニンジンの移植栽培をしてみましたが、明らかに生育不良の結果となりました。これは、間引きをした時点で根の表面にきずがついていると思われます。
間引き苗がもったいないと思って移植栽培にチャレンジしましたが、ニンジンは直まき栽培しかできないというのが結論です。
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