家庭菜園において、ナスやトマトなどの夏野菜を栽培される方は多いと思います。この場合、ゴールデンウィークあたりに苗を畑やプランターに植え付けるのが一般的です。
ホームセンターなどで苗を購入し植え付ける場合は問題がないのですが、種から苗を育て植え付ける場合は、注意が必要です。
育苗日数がナスで70~80日、トマトで60~70日ですので、5月上旬に植え付けしようとすると、逆算して2月下旬~3月上旬に種をまき育苗しなければなりません。しかしながら、2月下旬~3月上旬は気温がまだまだ低く、自然な状態では発芽地温が確保できません。
この問題を解消するために、家庭菜園向けの育苗器が販売されていますが、高価でなかなか手が出ません。そこで当菜園では、平型の電気アンカで種を加温しています。
今回は、ナスとトマトの種を電気アンカで加温し、育苗する方法を紹介いたします。
野菜 | 発芽地温 | 生育適温 | 育苗日数 |
ナス | 25~30℃ | 20~30℃ | 70~80日 |
トマト | 25~30℃ | 20~30℃ | 60~70日 |
準備するものと電気アンカの加温能力
準備するもの
- 発泡スチロール・・・電気アンカやセルトレイを入れる
- 平型電気アンカ・・・冬場、足を温める小型のもの
- セルトレイ・・・5cm角で4×3穴のもの(5×5穴のものをカット)
- ミニ地温計・・・シンワの簡易地温計
- 霧吹き・・・水を与えるためのもの
電気アンカの加温能力
まず初めに電気アンカの加温能力の確認を行いました。
温度調節メモリは、弱~中~強まで無段階に変更できるタイプです。
表面温度はカタログ値です。
セルトレイ温度は、セルトレイに種まき培土を入れ地温を実測しました。
この結果より、セルトレイに種をまいた場合、電気アンカの『強』設定で発芽地温が何とか確保できることがわかりました。
ナスとトマトの種を育苗する
催芽まきし加温する
まず初めにナスやトマトの種を水に浸したキッチンペーパーにまき(催芽まき)、保存袋に入れます。これを電気アンカの上に置き『弱』設定(表面温度30℃)で発根を促します。
4~5日すると発根が確認できたので、セルトレイに種まき培土を入れて、これらの種をまきます。
セルトレイに種をまき加温する
セルトレイに培養土を入れて、あらかじめ催芽まきで発根を促していた種をまきます。
種をまいてから10日前後すると、発芽し双葉が開くぐらいになりました。
徒長していたり、倒れていたりしているものもありましたが、ここでポリポットに移植しました。(鉢上げ)
ポリポットで育苗する
まともに育っているナス4本とトマト2本をポリポットに移植しました。
移植後しばらくは室内で育苗し、天気の良い日は日光に当て育てました。
トマトの苗が2本しかないので、この後追加で種まきをしました。
苗の完成
トマトの苗が5/3にできました。
育苗日数は、1回目にまいた大玉トマトが75日、2回目にまいた中玉トマトが56日でした。
少し遅れてナスの苗が5/8にできました。少し小さいですが…。
育苗日数はちょうど80日です。
電気アンカでの加温育苗
今回の栽培実績です。
催芽まき日数 | セルトレイ日数 | ポリポット日数 | トータル日数 | |
ナス | 4日 | 11日 | 65日 | 80日 |
トマト(大玉) | 4日 | 11日 | 60日 | 75日 |
トマト(中玉) | 3日 | 6日 | 47日 | 56日 |
トマトの大玉と中玉で育苗日数にかなり差ができたのは、大玉の20日ほど後に中玉をスタートしたので気温が上がってきていることが主な原因と思われます。
今回、徒長したり倒れてしまったりしたものもありましたが、電気アンカで育苗できることが確認できました。今後、培養土や水やりを見直し、このあたりを改善していきたいと思います。
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