コマツナ(小松菜)は、江戸時代から栽培されている関東を代表する野菜です。味噌汁やお吸い物の具、おひたしや漬物、さらには炒め物など幅広い料理に使用されます。最近はスムージーに使用されている方も多数いらっしゃると思います。
コマツナを栽培する側からみると、生育期間が短く栽培が簡単で、年間を通じて育てられるので家庭菜園では人気の野菜であると思います。
今回は、日本で開発された伝統的な野菜であるコマツナを育てる方法とポイントを紹介します。
コマツナ栽培の基本データ
コマツナを栽培するときに参考とする基本データを表にまとめています。
科目 | アブラナ科 |
土壌酸度(pH) | 5.5~6.5 |
連作障害 | あり(輪作年限1~2年) |
発芽地温 | 20~30℃ |
生育適温 | 15~25℃ |
株間 | 5~6cm |
種まきから収穫までの期間 | 30~50日 |
コマツナ栽培のスケジュール
コマツナは、真夏の時期を除いて春から秋まで種まきができ、ほぼ年間を通じて収穫ができます。当菜園では、春と秋に何回かに分けて種まきし収穫しています。
これは兵庫県姫路市での栽培スケジュールです。栽培スケジュールは、地域や品種によって変わってきますので参考程度としてください。
コマツナの育て方
土づくり
種まきの1~2週間前に、畑に堆肥と石灰と肥料を施し、よく耕しておきます。その後、雑草防止のため黒マルチをします。
堆肥 | 醗酵鶏ふん | 1㎡あたり約3kg |
石灰 | 有機石灰 | 1㎡あたり約100g |
肥料 | 化成肥料8-8-8 | 1㎡あたり約100g |
種まき
今回は、トーホク交配の「照彩小松菜」の種を使用しました。発芽および生育温度の範囲が広く人気のある品種で、発芽率は90%以上となっています。
畝に条間15~20cm、深さ1cm程度の溝を3本掘り、種をスジまきしたあと軽く土をかけ水を与えます。
モンシロチョウの幼虫(アオムシ)やコナガの幼虫の食害にあいやすいので、発芽初期の段階から防虫ネットや寒冷紗をべた掛けしておきます。
間引き
発芽したら生育に応じて順次間引きをします。
1回目は本葉が1~2枚のころで、約3~4cm間隔になるように間引きます。2回目は草丈が7~8cmのころで、5~6cm間隔になるように間引きます。
生育期間が短く元肥だけで十分育つので、追肥は行っていません。
防虫・防霜対策
気温が高く害虫が多い時期には、防虫ネット(または寒冷紗)をトンネル掛けし、虫害を防ぎます。
また、気温が低くなり霜が降り始めると寒冷紗(またはビニール)をトンネル掛けし、霜害を防ぎます。
収穫
草丈が20~25cmになったら収穫時期です。
根ごと引き抜くか、ハサミで根元を切って収穫します。
コマツナ栽培のポイント
- 発芽初期の段階から防虫ネットや寒冷紗を掛ける。
- 栽培期間が短いので、追肥は不要。
コマツナは、種まきから収穫までのスパンが短いので、端境期の野菜として重宝します。プランター等でも容易に栽培できますので皆さんも育ててみたらいかがでしょうか。
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