イチゴは冬から春にかけて店頭に出回るとても人気のある果物ですが、生産する側からすると多年草の野菜となります。
イチゴは収穫時期の違いから「一季なり品種」と「四季なり品種」があります。一季なり品種は、一年に一度旬の時期(5~6月)に収穫するものです。四季なり品種は、寒い時期を除いて年中花が咲き季節を問わず収穫できるものです。
今回は、『宝交早生』という一季なり品種の苗を購入し、イチゴ栽培を開始しましたので紹介したいと思います。
なお、苗を購入するのは栽培を開始するときだけで、その後は伸びてくるランナーから育つ子株を育てて株をどんどん増やしていけます。
イチゴ栽培の基本データ
イチゴを栽培するときに参考とする基本データを表にまとめています。
科目 | バラ科 |
土壌酸度(pH) | 5.5~6.5 |
連作障害 | あり(輪作年限1~2年) |
発芽地温 | ー |
生育適温 | 17~20℃ |
株間 | 30cm |
収穫時期(一季なり品種) | 5~6月 |
イチゴを育てる
土づくり(10月上旬)
苗を植え付ける1~2週間前に、畑に堆肥と石灰と肥料を施し、よく耕しておきます。
堆肥 | 醗酵鶏ふん | 1㎡あたり約3kg |
石灰 | 有機石灰 | 1㎡あたり約100g |
肥料 | 化成肥料8-8-8 | 1㎡あたり約100g |
苗の購入と植え付け(10月中旬~下旬)
ホームセンターで『宝交早生』の苗を8本購入しました。宝交早生は、露地栽培向けで初心者でも育てやすい品種とのことです。
苗の植え付け前に、親株からランナーが伸び子株ができてきたので、ポリポットに子株を受けランナーを固定しました。ランナーを固定することにより、子株から根が出てきます。根付いたら子株を切り離します。
ランナー押さえは専用の資材があるようですが、今回は和菓子を食べるときに使用する竹フォークで代用しました。
畑に植え穴を掘り、イチゴの苗を植え付けます。株間30cmで、株の根元(クラウン)が地表に出るように植えます。購入した苗8株を植え、そのあと生長して増えた子株3株を追加で植えました。
なお、イチゴの苗は冬の寒さに当てる必要があるため、黒マルチシートはいったん外しました。
追肥とマルチシート張り(11月~3月)
苗を植え付けてから約1か月後(11月)に、1回目の追肥をします。醗酵鶏ふんを1株あたり約30g与えました。
2月になると、傷んだ葉や枯れた葉を除去し2回目の追肥を軽く行います。黒マルチシートも、このタイミングで被せます。土の温度を上げて、イチゴを休眠から目覚めさせます。
3月に3回目の追肥を行います。化成肥料(8-8-8)を1株あたり約30g与えました。
アブラムシ対策
3月下旬頃になると気温が上昇し、新芽が伸びてきます。このころからアブラムシが大量発生してしまいました。
農薬を使用せずにアブラムシを除去する方法として、薄めた牛乳やお酢を散布する方法があるようですが、すべての株に大量に発生していたので、今回は『ベニカベジフル』という殺虫剤を使って駆除しました。
450倍に希釈し、スプレーでまんべんなく散布しました。
開花とランナー摘み(4月)
4月になると次々と花が咲き、ランナーが伸びてきます。ランナーは、そのままにしておくと栄養が取られてしまうので、根元から切り取ります。
防鳥対策(4月)
イチゴの実が色付いてくると、鳥がつつきに来ます。
当菜園では、人工授粉はせずに虫による自然な受粉にまかせているので、虫は入れて鳥が近寄れないようにする必要があります。
そこで、目の粗い防鳥ネットをトンネル掛けすることにしました。
収穫(5月)
開花から30~40日で実が熟してきます。実全体が赤くなったものから順に収穫していきます。
なお、今回購入した苗から子株が3株でき追加で植え付けたのですが、いづれも実ができませんでした。株が十分に生長していなかったのが原因と思われます。
イチゴを育ててみて
アブラムシが大量発生したときは慌てましたが、比較的順調に栽培できたと思います。
栽培1年目ということで、株数が少なく多くは収穫できませんでしたが、もぎたてのイチゴの味は甘酸っぱくとてもおいしかったです。
このあと来シーズンに向けて、子株をたくさん育てたいと思います。
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