ゴールデンウィークあたりになると、ナス・トマト・キュウリなどの夏野菜の苗とともにサツマイモの挿し苗(つる苗)がホームセンター等で売られるようになります。種類としては、紅あずまや紅はるか、鳴門金時などいろいろなものが店頭に並んでいます。
今回は、サツマイモの挿し苗を購入し、育てる方法とポイントを紹介します。
サツマイモ栽培の基本データ
サツマイモを栽培するときに参考とする基本データを表にまとめています。
科目 | ヒルガオ科 |
土壌酸度(pH) | 5.5~6.0 |
連作障害 | なし |
生育地温 | 22~26℃ |
生育適温 | 22~30℃ |
株間 | 30cm |
植え付けから収穫までの期間 | 約120日 |
サツマイモ栽培のスケジュール
十分に暖かくなる5月中旬から梅雨入り前の6月上旬に挿し苗の植え付けを行い、10月上旬から11月上旬に収穫をします。
これは兵庫県姫路市での栽培スケジュールです。栽培スケジュールは、地域や品種によって変わってきますので参考程度としてください。
サツマイモの育て方
挿し苗の購入
茎が太く、節数が7~8あり、長さが20~30cmくらいのものを購入します。
今回は、紅はるかの苗を10本購入しました。購入した苗は、新聞紙で包み水で濡らして日陰で4~5日置いておき、根を出させます。
なお、挿し苗を自分で作りたい場合は、次のリンクを参考にしてください。
土づくり
サツマイモは、肥料(チッソ分)が多いと茎葉ばかりが生長して土中のイモがしっかり育ちません。(これをつるボケという) 家庭菜園レベルでは肥料は不要で、元肥を全く入れません。また、やや酸性の土壌を好むため、石灰も入れません。
幅60㎝高さ20㎝ほどの畝をつくり、黒マルチシートで覆います。黒マルチシートで覆うことにより、地温を上げ、雑草を防止し、伸びたつるから出る不定根の定着を防止する効果があります。
植え付け
苗の植え付けの方法は、水平植え・斜め植え・垂直植え等いろいろありますが、一番基本的なのが水平植えです。マルチシートの中心に、30cm間隔で切れ込みを入れ、深さ6~7㎝の溝を掘ります。そして苗の茎が地面に水平になるように植え付け、葉は地表に出します。そのあと土を被せ、軽く鎮圧した後たっぷりと水を与えます。
植え付け後の管理
苗が活着するまでは、土が乾燥すると水やりが必要です。サツマイモは乾燥に強い作物なので、活着後は土が乾燥していても水やりは不要です。
苗を植え付けてから2か月くらいするとつるがマルチの外側まで伸びてきます。このマルチの外側に伸びたつるから発生した不定根が土に根を張ると養分を多く必要とし、つるボケの原因となります。これを防止するためつる返しを行います。マルチの外側に伸びたつるを持ち上げることにより不定根を切り、つるを畝の上にひっくり返して置きます。
サツマイモ栽培では、このつる返しがイモを太らせるための重要な作業です。
収穫
サツマイモは、タマネギやニンニクのように茎や葉の様子から収穫時期が判断できませんので、だいたいの時期が来たら試し掘りをして判断します。
晴天が数日続いた後の晴れた日の午前中に収穫します。株元でつるを切りマルチをはがして掘り起こします。収穫したイモは2~3日天日干しし、ダンボール箱に入れて保存します。
サツマイモ栽培のポイント
- 苗は新聞紙で包み水で濡らして根を出してから植え付ける。
- 土づくりでは、元肥と石灰を入れない。
- つる返しを行い、イモを太らせる。
サツマイモ栽培は、手間がほとんどかからず、暑さや病虫害にも強く簡単に育てられますので、家庭菜園でおすすめです。
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