温州ミカンは、柑橘類の中で比較的寒さに強く初心者でも育てやすいので、家庭果樹栽培で人気があります。当菜園でも温州ミカンを2本育てており、どちらも20年以上になります。2本のうち1本は早生系で、もう一方は晩生系です。
これまで、2~3月に適当な剪定と寒肥を与えるだけの適当な管理で、特に問題なく栽培できていたのですが、晩生系の温州ミカン(青島)ですす病が蔓延しました。
夏ごろから葉が黒ずんでいることを確認していたのですが、酷暑による葉焼けと思っていたので、何の対策もせずに冬を迎えることとなりました。この頃には、ほぼ全ての葉が黒くなり、ミカンの果実にも黒いカビが付着していました。
下の写真は、2月頃の温州ミカンの木の状態です。全体に黒ずんでおり、枝葉は、すすをまぶしたようにべったりと黒いカビが付着しています。
このまま放置するのは良くないと判断し、回復させるための対策を色々としたので、紹介したいと思います。
すす病が発生する原因
すす病とは、名前の通りすすをまぶしたように枝葉が黒くなるのですが、正体は、糸状菌(しじょうきん)という菌の胞子が発生し、付着している状態です。
発生のメカニズムとしては、
第1段階・・・アブラムシ、カイガラムシ、コナジラミなどの害虫が排泄物を出す。
第2段階・・・排泄物には病原菌が好む栄養がたくさん含まれているため、カビが生えて発症する。
という流れです。
よって、樹木の表面にいる害虫を防除することが重要になります(第1段階の初期)。プロ農家さんは、適切な時期に害虫の防除をされていると思います。
しかしながら今回は、既に黒カビが蔓延してしまっている状態(第2段階の後半)なので、物理的に取り除くしか方法はないようです。
黒カビの除去
枝葉の剪定
剪定をせずに全ての枝葉の黒カビを除去することは不可能に近いので、まず初めに剪定をしました。
また剪定をすることにより、風通しや日当たりの良い環境を整えることにもつながり、害虫の発生が抑えられると思います。
黒カビの除去
葉についた黒カビは、タオルでこすって落としました。
また、細い枝は歯ブラシ、太い枝はタワシで水を流しながらこすって落としました。
下の写真は、黒カビを除去した後の枝葉です。
非常に手間がかかったのですが、ほぼきれいになっています。
殺菌剤の散布
手間暇かけて黒カビを除去したので、さらに『トップジンMゾル』という殺菌剤で消毒することにしました。
『トップジンMゾル』は、糸状菌が原因で起こる広範囲の病気に効果がある。病原菌の侵入を防ぐ予防効果と、侵入した病原菌を退治する治療効果を兼ね備えている浸透移行する殺菌剤とのことです。
1000倍に希釈して散布しました。
今後の対応
これまで、できるだけ無農薬で栽培したいと思っていたのですが、樹木が大きくなってくると色々と病害虫が発生するようです。
剪定や病害虫の防除(農薬等の散布)を最低限していかないと、すす病を除去するのに大変手間がかかってしまいます。
今後は、適切な剪定方法や、病害虫の防除剤について調べ、活用していきたいと思います。
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