皆さん、庭や畑に生える雑草にどのように対処されていますか?
ひたすら人力で草引き(草むしり)をするという方もおられると思います。管理する面積にもよりますが、草引きは非常に労力と時間がかかり、せっかく完了したと思っても、すぐにまた次の雑草が生えてきます。
この草引きの負担を少しでも低減するため、今回は『除草剤』を使った雑草対策について紹介したいと思います。
田畑の中の小さな雑草は、トラクターや耕運機ですき込んでしまえば表面上は無くなります。しかしながら田畑の入り口や擁壁の際など、農機械でできない部分は除草剤が有効です。また、いろんな植物が混在しているときに、特定の植物だけを枯らせたいときなどにも有効です。
今では色んな種類の除草剤があり、どれを使ったらよいのかわからないという場合もあると思いますので、除草剤の分類と実際の散布について紹介します。
除草剤の分類
除草剤には、茎葉処理型と土壌処理型があります。
茎葉処理型は、既に生えている雑草を枯らしたいときに使用します。液状タイプのもので、薄めて使用するものとそのまま使用するものとがあります。散布された薬剤が、茎や葉の表面から吸収され枯らします。
一方、土壌処理型は、これから生えてくる雑草を防ぎたいときに使用します。粒状タイプのもので、薬剤が土の表面に残り、発芽した種子が育たないようにすることで雑草が生えてくることを防ぎます。
除草剤の別の分類として、農耕地用と非農耕地用があります。
農耕地用は、農作物を栽培している場所だけでなく、果樹や花木の周りに使用します。一方、非農耕地用は、駐車場や家の周り、空き地などに使用します。
以上の分類から、現在販売されている主な除草剤を表にすると次のようになります。
茎葉処理型 (既に生えている雑草を枯らす) |
土壌処理型 (これから生えてくる雑草を防ぐ) |
|
農耕地用 (田畑・果樹や花木の周り) |
・ラウンドアップ ・サンフーロン ・グリホエキス など |
ー |
非農耕地用 (駐車場・家の周り・空き地) |
・草枯れ太郎 ・草消滅 ・はやきき など |
・ネコソギ ・除草王 ・クサノン など |
除草剤の散布
今回は、畑周り(入り口と擁壁の際)の除草が目的であるため、茎葉処理型で農耕地用の商品である『ラウンドアップ マックスロード』を使用しました。
準備するもの
- 除草剤(ラウンドアップマックスロード)
- 希釈用バケツとヒシャク(100倍希釈液作成用)
- 蓄圧式噴霧器(100倍希釈液散布用)
- スプレーボトル(25倍希釈液散布用)
- ジョウゴ(漏斗)
蓄圧式噴霧器
工進の『Mister AUTO4L用』を使用しています。比較的コンパクトで使いやすいです。
樹木への消毒剤の散布などにも使えるのですが、除草剤が残っていると枯らしてしまう恐れがあるため、これは除草剤専用としています。
除草剤と希釈
ラウンドアップマックスロードは、葉から入って根まで枯らせる優れものです。また、土に落ちても自然物に分解されるため安心です。
ただ、非選択性の茎葉処理(茎葉にかかったものは全て枯らす)のため、枯らしたくない植物にはかからないように注意して散布しなければなりません。
また、枯らしたい雑草の種類により希釈倍率が変ります。一年生および小型多年生雑草などには100倍希釈液を、スギナなどには25倍希釈液を使用します。
希釈液の作成
今回は、100倍希釈液を5000ml(5L)、25倍希釈液を500ml作成しました。
原液 | 作成量 | |
100倍希釈液 | 50ml | 5000ml |
25倍希釈液 | 20ml | 500ml |
100倍希釈液は、作成する量が多いためバケツで希釈しよく混ぜ合わせます。発生する泡が落ち着いたらヒシャクとジョウゴを使って蓄圧式噴霧器に移します。
そのあと、ハンドルを上下させ加圧します。安全弁が作動する手前まで加圧すれば完了です。
なお、25倍希釈液のほうは、スプレーボトルに直接原液と水を入れ作成しました。
散布
除草剤の散布は、風の少ないよく晴れた日中が適しています。すぐに雨が降ると薬剤が流れてしまい、効果が落ちてしまうからです。
枯らしたい雑草すべてに、できるだけまんべんなく丁寧に散布します。
除草剤の効果
畑の入り口に100倍希釈液を散布した結果です。
少し散布ムラがありますが、かなり枯れています。
下の写真は、いろんな花が混在する庭で、ミントが異常に繁殖してしまった状態です。ミントもスギナと同じで、地下茎でどんどん増えていきます。
このミントの葉に25倍希釈液をスプレーで散布しました。散布後8日目でかなり効果が表れています。
茎葉処理型除草剤のメリットとデメリット
メリット
- 少しの労力と費用で、高い効果が得られる
- 枯らしたい植物だけを枯らすことができる
デメリット
- 効果が長続きしない
除草剤には、茎葉処理型と土壌処理型があります。この2種類を使い分け、適切に雑草対策をする必要があります。
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